5時起床 6時45分出発
宿の朝食を食べたので少し出発が遅れた。
昨日歩き遍路の人が「宿に朝食があるからといって食べ過ぎるのはしんどいですね」と言っていた。私も同感だ。少しだけ食べて後は補給する方向にする。
今日は恐怖の山岳ダブルヘッダーが待っている。
早朝はまだ風が涼しく天国だ。
残り9キロ地点でコンビニを発見し、水分とエネルギーを補給。準備していると同年代位の女性からお接待を受けた。ありがたくいただいた。うれしかった。お寺以外で納め札を渡すのはこれが初めてである。何度もお遍路をする人はこの味が忘れられないんだろうと思う。そして「楽しんでください」と言って送り出してくれた。
そうだ! そもそもこの旅は楽しむために来たのだ。芳村思風は、「人生の本質は七転八倒だ」と言っている。私はこれにいたく共感して彼の作品は何冊も読んだ。七転八倒を楽しめるかどうかで人生の充実度合いが決まるのだ。初心に帰った気がして嬉しかった。と勝手に感動して次に進む。
残り5キロ地点で地獄の1丁目の標識を発見。私は車道の方を進む。
いきなりのゲキサカ。金剛山よりきつい。たまらず残り3キロ地点で歩き始める。走行距離からすると余裕をみても1時間半で行ける距離だが3時間見ている。正解かもしれない。いたるところに蛇の死骸がある。車にひかれたんだろう。休憩のたびに鳥の声で癒される。道はきついがほとんどが木陰。これはありがたい。
地元の人が道を清掃している。挨拶したら私のバテバテ状態を見て笑っていた。この人たちのおかげで落ち葉は全部路肩に集まっている。ありがたいことだ。全てがありがたく思えてきた。
昨日写真を撮ってくれた歩き遍路の人がもうお参りを済まして降りてきている。笑顔で「次に行きます」と言って行ってしまった。健脚だ。とにかく歩くスピードが速い。私があの人と同じ位の年齢だったらどうだろうか???
9時15分 20番札所鶴林寺到着
3時間見ていたが2時間半で着いた。
風格のある山門だ。
日差しは強いものの、日陰はとにかく涼しい。
別世界である。
住職には、次に行くのは民家がある所までは自転車で移動し、そこからは歩きを勧められた。
10時 地獄の2丁目に向かって出発。
那賀川沿いを走る。とにかく川の水が綺麗である。翡翠のような色をしている。
住職に言われた民家あるところに止めるのはやめて、そのまま登った。しばらくすると坂が始まった。先ほどよりは多少緩やかである。しかし残り1.5キロのところでついに歩き始めた。車1台がやっと通れる位の狭い道が延々と続いている。しかし車は1台も通っていない。郵便配達のオートバイだけである。車の人はやっぱりロープウェーから行くのかな。休憩の回数と時間が徐々に長くなってきた。水は飲むよりほとんど頭からかぶっている。もう1本のボトルは麦茶にした。スポーツドリンクはぬるくなったら飲めたもんじゃないからだ。もう少しで到着のはずなのだが、なかなか立ち上がれない。
12時 21番札所太龍寺の駐車場到着
湧水が潤沢に蛇口から出ている。顔洗って頭から被った。私より年配のオッサン歩き遍路が自炊をしている。話し込んでまたまた休憩。上まで自転車でいこうと思ったが、オッサン歩き遍路にそれは無理と言われ素直に従った。
駐車場に自転車を置きそのまま1キロ歩いて山門へ。オッサンのアドバイスに従って正解だった。
12時半 21番札所太龍寺到着
山門に着いたらまだまだ登る必要があった。5分ほど歩いて到着。広い寺である。自然をそのまま活かしたて寺を作っている。昨日の歩き遍路の兄ちゃんと再会。神戸から来たらしい。「歩いていたら自然に着いてますよ」、といとも簡単に言っている。
時間をかけてゆっくり参拝した。そよ風が天国だ。また1キロほど歩いて駐車場に戻る。
14時 太龍寺出発
非常に怖い下り道。我ながらよく登ってきたと感心してしまった。ブレーキが焼き付きそうである。
途中いたるところで見る景色だが、川がとても綺麗である。
14時50分 22番札所平等寺到着
小さな寺だが風が非常に気持ち良い。
境内でゆずジュースを売っていたので思わず買ってしまった。うまい。生き返った!
ジュースを売っている兄ちゃんが話しかけてきた。昔は自転車に乗っていたそうだ。かなりベテランのようである。詳しい道の情報を教えてもらって地図までもらった。ありがたい。
15時50分 平等寺出発
昨日行きそびれた四国1周スタンプをもらいに道の駅へ移動。さっきの兄ちゃんに教えてもらった道の通り行ったら非常に早く着いた。
16時40分 公方の郷 なかがわ 到着
昨日もらえなかった四国一周のスタンプゲット
今日の予定はこれで全て完了。
早く宿に行ってビールを飲みたい🍺
徳島の山岳コースはこれで何とか乗り越えた。12番札所を経験していたことがよかった。最初が今日の20番・21番だったらくじけてたかもしれない。
明日は100キロ走行が待っている。ほとんど平地だが風が気になる。向風がないことを期待しよう。後は暑さをどうしのぐかだ。
いろんな人に出会い助けてもらっていますね。
返信削除良い経験をされていますね。
人のありがたみを感じます。
返信削除国内・海外からお遍路に来るのはこんなところがあるからかもしれません。