4時15分起床
外は、まだ真っ暗である。天候不順で延伸したが、やっと出発できる。
今回の目的は二つある。一つは、高野山奥之院へのお礼参りを行い遍路旅を完結させること。もう一つは、高野山への日帰りライドである。これまで100kmを超える走行は何度もしてきたが、山岳コースがメインでの100km越えはやったことがない。100km越えの時はほとんどが平地だった。私の脚力で可能なのか見てみたいと思った。このため、かなり早起きした。また、ジャージは四国一周サイクリングのジャージを着ることにした。遍路旅の完結なので、このジャージがふさわしい気がするからだ。
今回の装備は以下の通り。
自転車装着品:
ボトル1本、携帯空気入れ、工具、ワイヤーロック、ライト
バックパック
お遍路セット、スマホバッテリ、救急セット
筆記具、レインウェア、インナーウェア予備
遍路旅に比べて非常に軽い。これは楽なはずだ!
レインウェアは、雨対策よりもの防寒用である。朝・夕と高野山の気温が低いので念の為に持っていく。インナーウェアの予備は、体が冷える時に着替えるため持参する。
5時出発
まだ暗いが、車がほとんど走っていない。いつものルートで大和川から南河内サイクルロードに入る。ここはいつも走るコースだが、こんな暗い状況で走ったことがないので違う場所のような感じである。ちなみに道の両脇は草ぼうぼう。この夏は、ここを走ってないので知らなかった。まだ5時半にもなっていないが、この暗い中で散歩の人が結構多いのにはびっくり。夜が明けるにつれて、きれいな朝焼けが見えた。早朝に出た甲斐があった。
6時 石川サイクル橋到着
完全に明るくなった。風対策で着ていたレインウエアを脱いで再び出発。サイクルロード沿いにあるコンビニでドリンクと携帯食を補給。ついでにおにぎりまで食べてしまった。
7時 トトロ街道入り口に到着
河内長野の美加の台付近から南海電車沿いの小さな側道に入る。ここは、サイクリストの間では、トトロ街道と呼ばれている。緑のトンネルがあり、非常に気持ちの良いコースだ。朝の空気を感じながらゆっくり登る。いたるところで曼珠沙華が咲いている。秋である。
7時20分 天見駅到着
いつもなら、ここで折り返すのだが、一旦休憩して国道371に合流。紀美トンネルは交流量が多く危険のため、すぐ国道を離れて紀美峠経由のルートを選択。
7時45分 紀見峠到着
女性のサイクリストが来ていた。天王寺から来たそうである。私の家と近い。彼女は、ここで引き返すとのこと。これから高野山に向けて走ると伝えると、「頑張ってください」と言って送り出してくれた。ありがたい。
ここから先はひたすら下りである。結構な傾斜があるので帰りは辛いかもしれない。
国道370を九度山経由で高野山に向かう。ガソリンスタンドの自販機で飲み物を買っていると、地元の人に九度山サイクルステーションに寄るといいと勧められた。通り道なので行ってみることにする。
8時50分 九度山サイクルステーション OLD STREAM到着
閉園した幼稚園を使ってカフェになっている。まだ開店前だったので、トイレ休憩だけして「帰りに寄ります」と言ってそのまま出た。
高野山に向かって緩やかな傾斜が続いている。斜度は金剛山のような感じである。しかし距離が長いので、これがボディーブローのように効いてきている。しかし、歩くほどの傾斜ではないことがありがたい。気が付けば、東京スカイツリーと同じ高さであることを記載した看板があった。高野山は、確か900mあったはず。まだまだである。視界が開けたところから見ると、高い山がない。稜線まで来ているのである。ということは、もう少しのはず。ひたすら登ってやっと到着。
10時55分 高野山大門前到着
記念写真だけ取ってそそくさと奥之院に向かう。
11時10分 一の橋到着
ここが高野山奥之院の入り口になる。ゆっくりと歩いて奥之院に向かう。御霊橋を通ってついに到着。人は多いが、混雑というほどではない。お経を唱えお参り終了。ちなみに、お経を唱えていたのは年配の婦人連中と私だけだった。納経所へ行くと「満願ですね。おめでとうございます。」と言って記帳してくれた。これで全てやりきった。遍路旅第一回はこれで完了だ。一つだけ欠けていたピースが、やっとはまった感じである。これまでにない安堵感である。安心したら異様に腹が減ってきた。
一の橋前の店で食べたが、値段が高いのにビックリ。典型的な観光地値段である。でも味は良かったから、よしとしよう。
13時20分 金剛峯寺到着
金剛峯寺に立ち寄り、お参りする。総本山なので大きい寺を想像していたが、こじんまりした寺だった。ここでも記帳してもらった。ほかの所も行きたいが、帰りを考えると出発しないといけないのが残念。高野山を堪能しようと思ったら、宿泊が必要である。
13時45分 出発
ひたすら下り坂が続く。坂を下りながら、よく登ったと思った。ずっとブレーキを握っているので、握力がなくなりそうである。
14時30分 九度山サイクルステーション OLD STREAM到着
アイスオーレを注文して喉を潤す。非常に雰囲気が良いのでのんびりしたいが、帰りを考えるとそうもいかない。店の人にどこから来たのか聞かれ、「大阪」と言うと、「車はどこに止めてますか?」と聞かれた。「走ってきました。」と言うとびっくりしている。この辺に来る人は、道の駅に車を止めて、そこを起点にサイクリングをする人が多いようである。「お遍路の完結なので自力で行きたかったんです。」と言うとわかってくれた。「今度は車で来て、ゆっくりしてくださいね。」と言われ、和歌山のサイクリングマップをもらった。次回からは、その方法で来てゆっくり走ってみたい。
COFFEE STAND OLD STREAM COFFEE(サイクルステーション)
15時 店の人にお礼を言って出発。
国道371に入ったが坂道がなかなか進まない。途中で国道から側道に入り紀見峠を目指す。かなり疲れていてなかなか進まず、自転車の親子に軽々抜かれてしまった。
16時20分 紀見峠到着
休憩しようとしたら先程の親子が休憩していた。父親は私の四国一周ジャージを見て色々と聞いてきた。ちょうど同じ頃、子供と一緒に四国を自転車で走っていたようである。なんと言う偶然。色々と旅の話をした。Facebookを教えてもらったので見てみたら、自転車で世界一周していた猛者であった。こんな両親に育てらている子供は、「素直で強い人間」になるのだろうと思った。その後、家族に見せたいので、子供と一緒に写真を撮ってほしいと言われた。私は、そんな大した人間ではないので恐縮してしまったが、せっかく言ってくれたので撮ってもらった。便乗して私のスマホでもお願いした。別れ際に、「また、どこかでお会いできればいいですね」と言ってくれた。私も是非再会したいと思った。今回の遍路旅は、猛暑と武漢ウイルスの影響で、旅をしている人自体が少なかった。当然、出会いも少なかった。しかし、最後の最後に良い出会いが待っていたのである。四国一周を評価してもらった事は当然嬉しいが、同じ価値観と思える人と出会った事が、私としては非常にうれしかった。この出会いは、お大師様が引き合わせてくれたのかもしれない。
17時50分 石川サイクル橋に到着
夕陽が沈みかけている。写真を撮って、すぐ出発。ここから自宅まではいつも決まったように1時間かかる。ということは、日没後の到着が確実である。
18時50分 自宅に到着
判で押したように、1時間かかった。
本日の走行距離:165km
最終日が、この旅で最長距離になった。
疲れた。でも充実していた。
今日の写真
今日で、四国一周遍路旅は完結した。旅を開始してちょうど2ヶ月。あっと言う間だったような気がする。旅で得たものはたくさんあるが、それについては、これまでも記載してきたので、ここでは書かない。あえて追加するとすれば、「どこまで本気になるか」で、本人の力量がわかるということである。対戦競技のように相手の力量で結果が左右されるものは仕方がないが、この遍路旅のように一人で行うものについては、本人がどれだけ本気で取り組むかで結果は変わる。当初は、高野山への日帰りなど無理と勝手に思っていた。しかし、やってみたらできた。日常でも、こんなことはたくさんあると思う。自分の思い込みを取り去って、実際にやってみることで、違った世界が見えてくる。
やっぱり遍路旅に行ってよかった。そして、また行きたい。
「四国一周遍路旅編」はこれで完結します。
今後は、不定期にツーリングの模様をアップします。
時間があるときに見て、笑っていただければ幸いです。
私がよく走る自転車道はトトロ街道って言うんですね初めて知りました。
返信削除また良き出会いがありましたね。よかったですね。いい思い出になりますね。
やり遂げることで色んなプラス面が出てきましたね。
めでたしめでたしです。
ありがとうございます。
削除皆さんのお陰で無事完結できました。
トトロ街道はネットで初めて知りました。季節によって風景が変わるので、走っていて気持ちいいですね!