昨日、家に到着し、今はのんびりしている。
中断期間を挟んで約1ヶ月、長いようで一瞬だったような気がする。
行程、走行距離、費用を整理してみた。
高野山へのお礼参りは別日にしたので、その分は入っていない。
日程:移動:2日、お遍路:21日
走行距離:1985km(お遍路:1803km、移動:182km)
費用:¥259,400
内訳
宿泊費:¥124,000
納経費:¥26,700
結願証明:¥2,000
交通費:¥8,400(フェリー、ロープウェイ)
食費・飲料費:¥90,000
洗濯他:¥8,300
費用は25万円くらいを見込んでいた。宿泊費は、想定より安くあがったが、その反面食費と飲料費が大きく上回った。開始時期は食欲が減退したが、その後一気に盛り返した。元気で過ごせたので、よしとしよう。
走行距離は出発前の試算から500km近く上回ってしまった。自転車に乗りはじてめて1年半で約3,000kmくらい走っていたので、この1ヶ月で1年分の走行をしたことになる。これが、荷物の重量負荷にくわえて自転車への負荷がかかる要因となったとも言える。タイヤは前後ともパンクしたが、チューブレスレディに替えておいたことが功を奏してなんとか持ち堪えた。一部不具合が出たが、調整でなんとかなったため、部品交換もなしである。但し、GIANT今治店で言われたように、スプロケット、チェーンの摩耗が大きいため交換は必要で、タイヤも今後を考えると交換する方が良い状態になっている。
また、気候については、前半は酷暑、後半は雨+酷暑だった。
今回の遍路旅は、遍路旅を敢行するたくさんの人を惹きつけるものは何なのかを確かめてみることだった。そして、どんな世界が見えるのか、この目で見てみたかった。
本日時点では、遍路旅をすることで見えた世界、というか、感じた世界は、以下の三つだと思っている。日が経つにつれて、もう少し増えてくるかも知れない。
一つ目は、「見えない力」である。この「見えない力」が導いてくれたり、背中を押してくれたりする。そして、それが「お陰様」の精神につながる。
二つ目は、「自分の内面」である。これは、自分の弱い部分であり、具体的には、頭では分かっているが行動が伴っていない部分のことだ。
三つ目は、「当たり前のことが当たり前にできること」が、本当にありがたく思えることである。
一つ目の「見えない力」については、5月中旬の出発が7月後半にずれ込んだことにつながる。今回は、酷暑、雨、重い荷物、自力走行という厳しい条件が揃った状況で遍路旅を敢行した。この状況だからこそ見えたり感じたりしたものがたくさんあった。季節の良い時期に出かけていたら分からなかったような気がする。また、予定通り進めなかったから訪れることができた場所などがあり、お大師様の導きを感じた。
二つ目の「自分の内面が見える」ことについては先日も触れたが、「自分が望んだことをしているのに、この表情はないやろ」と思ったことだ。どんなに暑くても、どんなに坂がしんどくても、自分が望んだことなのだから笑顔で走ろうと決めて実行したことである。
また、このお陰で、精神力の重要性を改めて認識できた。すなわち、「根性」である。「根性」という言葉を出すと毛嫌いする人が多いが、やっぱり重要だと思う。昔聞いたサッカー選手(ドイツのスーパースター)の言葉であるが、「一番大事なことは絶対勝つという精神力だ。そして、もう一つ大事なことは楽しむことだ。これを忘れてはいけない。楽しむ心がなければ、ただの苦痛になってしまう。」ということを聞いたことがある。当時の私は、これが理解できず、「そんなこと無理やで〜」と思っていた。しかし、今回の遍路旅で、やっと理解できた。「根性=苦痛」が、自分の考え方次第で「根性=楽しさ」に変わる。これに気がついてからは、炎天下の中をニヤニヤした顔で走っていたはずだ。周りの人から見れば変人に思われたかも知れない。しかし、これでいいのだ。これこそが遍路旅なのだ。
三つ目の「当たり前のことに対するありがたさ」については、遍路旅ができること、自転車で走行すること、親・親戚・知人・友人と過ごすこと、美味しく食事をすること、風呂に入って布団で寝られること、困った時に助けてもらえること、など数え上げればキリがない。今という大切な時間を過ごしていることを意識して、当たり前のことに感謝し、一所懸命生きることが重要であることを体感した。全てが愛おしく思えてくるのである。
本日時点では、こんなところだろうか。
また、新たに気づきがあれば投稿しよう。
自転車にはだいぶ負担がかかったので、オーバーホールして部品交換や調整を行う。高野山へのお礼参りは、これが完了してから出かけるつもりである。少し時間がかかるので、出かけるまでにもう少し気づきが増えるかも知れない。
本日、お遍路交流サロンから自転車遍路大使の任命書とバッジが届いていた。クイックレスポンスだ。DVDと丁寧なコメントまで入っていた。ありがたいことである。
応援してくださった皆様へ
皆様のお陰で、無事結願できました。
本当にありがとうございました。
高野山奥の院へのお礼参りは、「番外編」という形で後日報告いたします。