2021年9月29日水曜日

千早城跡(9月29日)

曇っていたが快晴になった。
機嫌よく出かけようとしたがなんと前輪の空気がほとんど抜けている。見事にシーラントがしみ出している。先週の高野山ライドは全然大丈夫だったのに1回目にしてパンクにあうとは。グラベルキングSSという評判の良いタイヤを選んだのにショック。「もっと頑張ってくれ!」と心の中で叫んで、気を取り直して空気を補充。

9時40分 出発
大和川は先週時点では草ボーボーだったが、今日草刈りをしている。帰りにはきれいになっているだろう。
サイクリストがちらほらといる。年配の人が多い。あの人たちからすると、私などはまだまだ若造である。いつもの通り大和川経由で南河内サイクリングロードに入る。
自転車に乗り始めてから最近までは「四国一周」と言う大目標があったので、「できるだけ早く、できるだけ遠く」を目指して走ってきた。しかし、遍路旅の途中で寄り道することの大切さを学んだ。当初の目標を達成した今は、できるだけゆっくり走ってたくさん寄り道をしたいと思っている。

10時45分 石川サイクル橋到着
タイヤの状態をチェック。問題なさそうなので安心して出発。

いつものコンビニに寄って、昼食のおにぎりとドリンクを補給。
11時10分 コンビニ出発

緩やかな上り坂が続く。四国遍路と高野山で鍛えられたおかげで以前のような辛さはない。強くなったことを感じられて嬉しい。棚田が綺麗である。いつも行く蕎麦屋は平日は休みである。土日しか営業していないのが残念。ここは自転車乗りには非常に親切でサイクルスタンドもある。店のオヤジさんは優しく話しかけてくれたので非常に良い印象を持っている。うまい蕎麦を食べたかったな〜。

12時20分 千早城跡登り口到着
いつもなら金剛山ロープウェイ口まで行くのだが今日はここまで。駐車場の隅に自転車停めたら100円とられた。びっくり。これまでいろんなところに行ったが、自転車の駐車場代を取られるのはここが初めてである。以前来た時はトイレの横に停めたので何も言われなかった。他人の敷地に止めているので仕方がないのではあるが。

12時30分 千早城跡に向けて出発
狭い階段と急勾配を上る。ここを登れば、この城が難攻不落だったことがよくわかる。登っていけば確実にやられる。攻め手からすると兵糧攻めにするしか手がないと思う。楠木正成は偉大である。

12時45分 千早城跡に到着
まずは千早神社にお参りした。菊水紋がある。この紋章は、陸上自衛隊の大阪第37連隊が継承している。そんなことを考えながら、お参りの後、ゆっくりとまわりを散策した。自然の中にいると癒される。これからはこういうことにできるだけ時間を使いたい。四の丸に戻って昼食。しかし、今日の失敗は虫除けスプレーを持ってこなかったことである。蚊に刺されまくってたまらない。
昼食の後に、無線機を持ってきたので交信してみた。神戸の高取山にいる人と交信ができた。大阪湾を縦断して交信できたことになる。私の無線機は電波出力が弱いので平地であればそんなに飛ばないのだが、やっぱり高いところに来るとよく飛ぶ。相手の人は81歳との事だった。私の親ぐらいの年齢だ。人生の大先輩である。15分ほど話をした後、カード交換することを約束して交信を終えた。
無線機については話せば長くなる。実は6月に三級アマチュア無線技士の試験に合格した。私はグラベルロードに乗っているので、ふらふらと林道に入ることがある。この時、場所によってはスマホの電波が非常に微弱なことに気がついた。もし、そんなところで怪我でもして動けなくなったたら、どうしようもない。このため、非常時の通信手段を確保しておきたいと思ったことが発端である。最初は、申請してすぐ免許が下りるCB無線を考えていたが、肝心の無線機が車に搭載するものばかりで携帯できる小型機種がなかった。このため退職後の暇な時期だったこともあり、少々勉強してアマチュア無線免許を取得し、携帯可能な小型無線機を買った。登山者が愛用する小型・軽量・防水のものである。最新機種は高額なので、10年ほど前に発売されたものにしたが、ロングセラー機種で今も変わらず評判が良いものを選んだ。本当は四国一周に持っていきたかったが、お役所仕事はとにかく時間がかかる。合格からコールサイン発行までの手続期間が異常に長く、出発までにコールサインが届かず遍路旅に持参することはできなかった。実際遍路旅では、スマホが圏外の所が何箇所もあった。そんなところで怪我をすることもなく、無事に走行することができて、本当に良かったと思っている。今日も千早神社付近では電波が微弱でネットにつながらなかった。私のように山の中をフラフラと徘徊する人間には必要であり、今日の交信で有効であることが改めてわかった。お守り代わりに、これからは必ず無線機を携帯することに決めた。
空模様が怪しくなってきたので、そそくさと下山。

14時20分 出発
「山の豆腐」を買って出発。帰るまで崩れないことを願っている。走っていたら、ついに雨が降ってきた。観心寺経由で帰ろうと思っていたが、諦めて来た道を戻ることにする。棚田の写真も諦めて今日はまっすぐ帰るのだ。

15時 石川サイクル橋到着
途中で雨はやんだ。しかし、いつ降ってもおかしくない空模様。ゆっくり休憩するのはやめて水分補給して即出発。

大和川の草はだいぶ刈られていたが全部終わってなかった。大変な作業だ。作業している人には頭が下がる。

16時 自宅到着

心配していた豆腐は無事だった。これで今日は一杯やろう!

本日の走行距離: 71km

今日の写真

今日は、ゆっくりと散策することができた。雨さえなければ、日没ギリギリまで寄り道したいところだった。これからはこんな形で、もっとのんびり走ってみたい。

2021年9月20日月曜日

【番外編】高野山奥之院 満願! (9月20日)

 4時15分起床
外は、まだ真っ暗である。天候不順で延伸したが、やっと出発できる。
今回の目的は二つある。一つは、高野山奥之院へのお礼参りを行い遍路旅を完結させること。もう一つは、高野山への日帰りライドである。これまで100kmを超える走行は何度もしてきたが、山岳コースがメインでの100km越えはやったことがない。100km越えの時はほとんどが平地だった。私の脚力で可能なのか見てみたいと思った。このため、かなり早起きした。また、ジャージは四国一周サイクリングのジャージを着ることにした。遍路旅の完結なので、このジャージがふさわしい気がするからだ。
今回の装備は以下の通り。
 自転車装着品:
  ボトル1本、携帯空気入れ、工具、ワイヤーロック、ライト
 バックパック
  お遍路セット、スマホバッテリ、救急セット
  筆記具、レインウェア、インナーウェア予備
遍路旅に比べて非常に軽い。これは楽なはずだ!
レインウェアは、雨対策よりもの防寒用である。朝・夕と高野山の気温が低いので念の為に持っていく。インナーウェアの予備は、体が冷える時に着替えるため持参する。

5時出発
まだ暗いが、車がほとんど走っていない。いつものルートで大和川から南河内サイクルロードに入る。ここはいつも走るコースだが、こんな暗い状況で走ったことがないので違う場所のような感じである。ちなみに道の両脇は草ぼうぼう。この夏は、ここを走ってないので知らなかった。まだ5時半にもなっていないが、この暗い中で散歩の人が結構多いのにはびっくり。夜が明けるにつれて、きれいな朝焼けが見えた。早朝に出た甲斐があった。

6時 石川サイクル橋到着
完全に明るくなった。風対策で着ていたレインウエアを脱いで再び出発。サイクルロード沿いにあるコンビニでドリンクと携帯食を補給。ついでにおにぎりまで食べてしまった。

7時 トトロ街道入り口に到着
河内長野の美加の台付近から南海電車沿いの小さな側道に入る。ここは、サイクリストの間では、トトロ街道と呼ばれている。緑のトンネルがあり、非常に気持ちの良いコースだ。朝の空気を感じながらゆっくり登る。いたるところで曼珠沙華が咲いている。秋である。

7時20分 天見駅到着
いつもなら、ここで折り返すのだが、一旦休憩して国道371に合流。紀美トンネルは交流量が多く危険のため、すぐ国道を離れて紀美峠経由のルートを選択。

7時45分 紀見峠到着
女性のサイクリストが来ていた。天王寺から来たそうである。私の家と近い。彼女は、ここで引き返すとのこと。これから高野山に向けて走ると伝えると、「頑張ってください」と言って送り出してくれた。ありがたい。
ここから先はひたすら下りである。結構な傾斜があるので帰りは辛いかもしれない。

国道370を九度山経由で高野山に向かう。ガソリンスタンドの自販機で飲み物を買っていると、地元の人に九度山サイクルステーションに寄るといいと勧められた。通り道なので行ってみることにする。

8時50分 九度山サイクルステーション OLD STREAM到着
閉園した幼稚園を使ってカフェになっている。まだ開店前だったので、トイレ休憩だけして「帰りに寄ります」と言ってそのまま出た。

高野山に向かって緩やかな傾斜が続いている。斜度は金剛山のような感じである。しかし距離が長いので、これがボディーブローのように効いてきている。しかし、歩くほどの傾斜ではないことがありがたい。気が付けば、東京スカイツリーと同じ高さであることを記載した看板があった。高野山は、確か900mあったはず。まだまだである。視界が開けたところから見ると、高い山がない。稜線まで来ているのである。ということは、もう少しのはず。ひたすら登ってやっと到着。

10時55分 高野山大門前到着
記念写真だけ取ってそそくさと奥之院に向かう。

11時10分 一の橋到着
ここが高野山奥之院の入り口になる。ゆっくりと歩いて奥之院に向かう。御霊橋を通ってついに到着。人は多いが、混雑というほどではない。お経を唱えお参り終了。ちなみに、お経を唱えていたのは年配の婦人連中と私だけだった。納経所へ行くと「満願ですね。おめでとうございます。」と言って記帳してくれた。これで全てやりきった。遍路旅第一回はこれで完了だ。一つだけ欠けていたピースが、やっとはまった感じである。これまでにない安堵感である。安心したら異様に腹が減ってきた。

一の橋前の店で食べたが、値段が高いのにビックリ。典型的な観光地値段である。でも味は良かったから、よしとしよう。

13時20分 金剛峯寺到着
金剛峯寺に立ち寄り、お参りする。総本山なので大きい寺を想像していたが、こじんまりした寺だった。ここでも記帳してもらった。ほかの所も行きたいが、帰りを考えると出発しないといけないのが残念。高野山を堪能しようと思ったら、宿泊が必要である。

13時45分 出発
ひたすら下り坂が続く。坂を下りながら、よく登ったと思った。ずっとブレーキを握っているので、握力がなくなりそうである。

14時30分 九度山サイクルステーション OLD STREAM到着
アイスオーレを注文して喉を潤す。非常に雰囲気が良いのでのんびりしたいが、帰りを考えるとそうもいかない。店の人にどこから来たのか聞かれ、「大阪」と言うと、「車はどこに止めてますか?」と聞かれた。「走ってきました。」と言うとびっくりしている。この辺に来る人は、道の駅に車を止めて、そこを起点にサイクリングをする人が多いようである。「お遍路の完結なので自力で行きたかったんです。」と言うとわかってくれた。「今度は車で来て、ゆっくりしてくださいね。」と言われ、和歌山のサイクリングマップをもらった。次回からは、その方法で来てゆっくり走ってみたい。

COFFEE STAND OLD STREAM COFFEE(サイクルステーション)

15時 店の人にお礼を言って出発。

国道371に入ったが坂道がなかなか進まない。途中で国道から側道に入り紀見峠を目指す。かなり疲れていてなかなか進まず、自転車の親子に軽々抜かれてしまった。

16時20分 紀見峠到着
休憩しようとしたら先程の親子が休憩していた。父親は私の四国一周ジャージを見て色々と聞いてきた。ちょうど同じ頃、子供と一緒に四国を自転車で走っていたようである。なんと言う偶然。色々と旅の話をした。Facebookを教えてもらったので見てみたら、自転車で世界一周していた猛者であった。こんな両親に育てらている子供は、「素直で強い人間」になるのだろうと思った。その後、家族に見せたいので、子供と一緒に写真を撮ってほしいと言われた。私は、そんな大した人間ではないので恐縮してしまったが、せっかく言ってくれたので撮ってもらった。便乗して私のスマホでもお願いした。別れ際に、「また、どこかでお会いできればいいですね」と言ってくれた。私も是非再会したいと思った。今回の遍路旅は、猛暑と武漢ウイルスの影響で、旅をしている人自体が少なかった。当然、出会いも少なかった。しかし、最後の最後に良い出会いが待っていたのである。四国一周を評価してもらった事は当然嬉しいが、同じ価値観と思える人と出会った事が、私としては非常にうれしかった。この出会いは、お大師様が引き合わせてくれたのかもしれない。

17時50分 石川サイクル橋に到着
夕陽が沈みかけている。写真を撮って、すぐ出発。ここから自宅まではいつも決まったように1時間かかる。ということは、日没後の到着が確実である。

18時50分 自宅に到着
判で押したように、1時間かかった。

本日の走行距離:165km
最終日が、この旅で最長距離になった。
疲れた。でも充実していた。

今日の写真

今日で、四国一周遍路旅は完結した。旅を開始してちょうど2ヶ月。あっと言う間だったような気がする。旅で得たものはたくさんあるが、それについては、これまでも記載してきたので、ここでは書かない。あえて追加するとすれば、「どこまで本気になるか」で、本人の力量がわかるということである。対戦競技のように相手の力量で結果が左右されるものは仕方がないが、この遍路旅のように一人で行うものについては、本人がどれだけ本気で取り組むかで結果は変わる。当初は、高野山への日帰りなど無理と勝手に思っていた。しかし、やってみたらできた。日常でも、こんなことはたくさんあると思う。自分の思い込みを取り去って、実際にやってみることで、違った世界が見えてくる。

やっぱり遍路旅に行ってよかった。そして、また行きたい。


「四国一周遍路旅編」はこれで完結します。
今後は、不定期にツーリングの模様をアップします。
時間があるときに見て、笑っていただければ幸いです。



2021年9月17日金曜日

四国一周1000kmチャレンジ完走証

台風の影響で今週は天気が悪い。先週末、やっと自転車の部品交換・調整が完了したので、今週は高野山奥之院へのお礼参りを敢行しようと思っていたが次週に延伸。こればかりは仕方がない。自然は偉大なのだ。

宗家から、本日の稽古は台風の影響で休みとの連絡をいただく。今回は、見事に台風コースに入っているので要注意である。家の近くに川があり、大雨のたびに氾濫が気になって仕方がない。最悪を想定して準備を進める。

そんな時、四国サイクリング事務局から四国一周完走証と記念メダルが届いた。改めて嬉しさが込み上げてきた。遍路旅が終わって約三週間が過ぎ日常に戻っていたが、あの時の記憶が蘇った。あの時に感じた「見えない力の存在」と「感謝の気持ち」と「自然の偉大さ」は、大きな拠り所になっている。そして、これからを生き抜いていく自信につながっている。また行きたい気持ちが込み上げてきた。完走証を見てニヤけていると、「アホか」と言われたが


台風の被害がないことを祈りつつ、次週の高野山ライドに向けてワクワクしよう!


四国一周1000kmチャレンジ完走証






2021年9月1日水曜日

四国一周遍路旅を終えて(その2)

 久しぶりに道場に行って、宗家・師範に無事に旅を終えたことを報告した。これで、やっと日常に戻った感じがした。


汚れた自転車を洗車して、自転車店に向かった。自宅から約10キロの距離にあるが、荷物がないとこんなにも楽なのかと改めて痛感した。

交換部品について確認してもらったが、結局チェーンリング、チェーン、タイヤを交換することになった。スプロケットは、もう少し使えそうなので様子見である(今は在庫がなく当面手に入らないこともある)。タイヤは自分で入手し自宅で交換するつもりだったが、自転車店のクーポンがあるので、チェーン交換と一緒に無料でしてもらえることになった。このため、タイヤも店で注文したが、以前のタイヤに比べて、より未舗装路走行に強いタイプのものにした。この旅で、悪路を走ることが、より楽しくなったからだ。今後は、もっと未舗装路を走る機会を作りたいと思う。チェーンは購入せずに、旅に持参した予備チェーンを使うことで了承してもらった。幸いにもチェーン切れに遭遇することがなかったので、新品未使用のものである。約2万円の出費(ほとんどが部品代で工賃はチェーンリング交換のみ)となったが、まずは安全第一だ。


家に戻って少し時間がたったので、旅について再度整理してみた。戻った直後よりも、少し冷静になって振り返りができるのではないかと思ったからだ。まずは旅ブログを読み返すことから始めた。


開始当初は、暑い・辛いと言う言葉が多い。この時点では、旅をする覚悟が中途半端だったと思える。しかし、旅が進むに連れてその言葉はなくなってきている。環境に慣れてきたことと、現実を受け入れることができたこと、すなわち旅の覚悟が定まったのだと思う。また、たくさんの気づきや、これまでの人生の振り返り、自分の生き方や考え方などの様々なことが整理できたのも前半だった。

後半は、雨の影響を受け入れ、ただただ前に進むことだけを見ている自分がいた。新しい気づきや過去の振り返りなどが少ない反面、旅をすること・走ること自体に喜びを感じていたと思える。旅と自分自身が一体化しているのが後半である。

そして、最初から最後まで通して感じた事は、人の優しさ、自然の素晴らしさ、お寺や遍路旅が持つ見えない力である。このことを身に沁みて感じたことで、「今生きていることを本当にありがたいと思う気持ちが、さらに強くなった。


今の気持ちは以下の通りである。

一つは、「もう一回遍路旅をしたい。」と言うことである。この気持ちは、旅が終わった直後から変わっていない。

もう一つは、「実践者でありたい。」と言うことである。私には、「自らが行動し、その姿を見て何かを感じてもらうこと」が向いている。安全な所にいて、何かを語ったり評論することは向いていないし、行動のない言論などは価値がないと思っているのでやりたくない。


もう一回遍路旅するためには、「自分軸を維持していること」、「心が元気であること」、「体が元気であること」が条件である。新たな目標ができて嬉しい。


私は78年ほど前から、神社仏閣にお参りに行った時に、願い事をするのをやめた。お参りの際は、感謝の気持ちを伝えるだけにしている。普段何もしていないのに、都合の良い時だけ願い事をすることに違和感を持ったからである。今回の遍路旅もこれに徹して、お参りの際には感謝の気持ちだけを伝えた。神様仏様には「感謝のみすること」、「一切の見返りを求めないこと」が、私の流儀となっている。もしかすると、結願できたのは、一切の見返りを求めない姿勢に対して、見えない力がご褒美をくださったのかも知れない。


交換部品が届くのは来週以降のため、高野山へのお礼参りは、9月の3週目以降を考えている。あとは天気次第である。

高野山奥の院へのお礼参りは、四国遍路とは作法が違うので、ちゃんと理解してから行きたいと思う。いろいろな人の情報を見ると、高野山はメジャーな観光地なので、納経している人はまれのようである。お大師様への満願の報告なので、ちゃんと納経して記帳したいと考えている。


2021年8月28日土曜日

四国一周遍路旅を終えて

昨日、家に到着し、今はのんびりしている。
中断期間を挟んで約1ヶ月、長いようで一瞬だったような気がする。

行程、走行距離、費用を整理してみた。
高野山へのお礼参りは別日にしたので、その分は入っていない。

日程:移動:2日、お遍路:21日
走行距離:1985km(お遍路:1803km、移動:182km)
費用:¥259,400
 内訳
  宿泊費:¥124,000
  納経費:¥26,700
  結願証明:¥2,000
  交通費:¥8,400(フェリー、ロープウェイ)
  食費・飲料費:¥90,000
  洗濯他:¥8,300
  
費用は25万円くらいを見込んでいた。宿泊費は、想定より安くあがったが、その反面食費と飲料費が大きく上回った。開始時期は食欲が減退したが、その後一気に盛り返した。元気で過ごせたので、よしとしよう。
走行距離は出発前の試算から500km近く上回ってしまった。自転車に乗りはじてめて1年半で約3,000kmくらい走っていたので、この1ヶ月で1年分の走行をしたことになる。これが、荷物の重量負荷にくわえて自転車への負荷がかかる要因となったとも言える。タイヤは前後ともパンクしたが、チューブレスレディに替えておいたことが功を奏してなんとか持ち堪えた。一部不具合が出たが、調整でなんとかなったため、部品交換もなしである。但し、GIANT今治店で言われたように、スプロケット、チェーンの摩耗が大きいため交換は必要で、タイヤも今後を考えると交換する方が良い状態になっている。

また、気候については、前半は酷暑、後半は雨+酷暑だった。

今回の遍路旅は、遍路旅を敢行するたくさんの人を惹きつけるものは何なのかを確かめてみることだった。そして、どんな世界が見えるのか、この目で見てみたかった。

本日時点では、遍路旅をすることで見えた世界、というか、感じた世界は、以下の三つだと思っている。日が経つにつれて、もう少し増えてくるかも知れない。

一つ目は、「見えない力」である。この「見えない力」が導いてくれたり、背中を押してくれたりする。そして、それが「お陰様」の精神につながる。
二つ目は、「自分の内面」である。これは、自分の弱い部分であり、具体的には、頭では分かっているが行動が伴っていない部分のことだ。
三つ目は、「当たり前のことが当たり前にできること」が、本当にありがたく思えることである。

一つ目の「見えない力」については、5月中旬の出発が7月後半にずれ込んだことにつながる。今回は、酷暑、雨、重い荷物、自力走行という厳しい条件が揃った状況で遍路旅を敢行した。この状況だからこそ見えたり感じたりしたものがたくさんあった。季節の良い時期に出かけていたら分からなかったような気がする。また、予定通り進めなかったから訪れることができた場所などがあり、お大師様の導きを感じた。

二つ目の「自分の内面が見える」ことについては先日も触れたが、「自分が望んだことをしているのに、この表情はないやろ」と思ったことだ。どんなに暑くても、どんなに坂がしんどくても、自分が望んだことなのだから笑顔で走ろうと決めて実行したことである。
また、このお陰で、精神力の重要性を改めて認識できた。すなわち、「根性」である。「根性」という言葉を出すと毛嫌いする人が多いが、やっぱり重要だと思う。昔聞いたサッカー選手(ドイツのスーパースター)の言葉であるが、「一番大事なことは絶対勝つという精神力だ。そして、もう一つ大事なことは楽しむことだ。これを忘れてはいけない。楽しむ心がなければ、ただの苦痛になってしまう。」ということを聞いたことがある。当時の私は、これが理解できず、「そんなこと無理やで〜」と思っていた。しかし、今回の遍路旅で、やっと理解できた。「根性=苦痛」が、自分の考え方次第で「根性=楽しさ」に変わる。これに気がついてからは、炎天下の中をニヤニヤした顔で走っていたはずだ。周りの人から見れば変人に思われたかも知れない。しかし、これでいいのだ。これこそが遍路旅なのだ。

三つ目の「当たり前のことに対するありがたさ」については、遍路旅ができること、自転車で走行すること、親・親戚・知人・友人と過ごすこと、美味しく食事をすること、風呂に入って布団で寝られること、困った時に助けてもらえること、など数え上げればキリがない。今という大切な時間を過ごしていることを意識して、当たり前のことに感謝し、一所懸命生きることが重要であることを体感した。全てが愛おしく思えてくるのである。

本日時点では、こんなところだろうか。
また、新たに気づきがあれば投稿しよう。

自転車にはだいぶ負担がかかったので、オーバーホールして部品交換や調整を行う。高野山へのお礼参りは、これが完了してから出かけるつもりである。少し時間がかかるので、出かけるまでにもう少し気づきが増えるかも知れない。

本日、お遍路交流サロンから自転車遍路大使の任命書とバッジが届いていた。クイックレスポンスだ。DVDと丁寧なコメントまで入っていた。ありがたいことである。

自転車遍路大使任命書



応援してくださった皆様へ

皆様のお陰で、無事結願できました。
本当にありがとうございました。

高野山奥の院へのお礼参りは、「番外編」という形で後日報告いたします。



2021年8月27日金曜日

家路(8月27日)

5時半起床

外は快晴。今日も暑い日が待っている。

そそくさと荷物をまとめる。


7時 宿を出発

まだ日陰は涼しい。通勤の車がそろそろ動き始めており混み始めている。日向に出ると直射日光が厳しくなってきている。吉野川の河口を渡りフェリー乗り場を目指す。


750分 南海フェリー徳島港に到着

切符を買おうとしたら次の便は11時だと言われた。「8時半では?」と言うと、「それは和歌山発です。」と言われた。やってしまった。昨日見たのは反対の時刻表だったのだ。徳島発は8時の便で、今回の減便対象だった。これなら、もっとゆっくり寝てから宿を出てもよかった。しかし、「暑くなってから走るよりはこのほうがよかったかも」と思い直して、11時の便の切符を購入しターミナルで待つことにした。空調が効いていて極楽である。客は誰もおらずターミナルは私1人。この便で行くと和歌山港到着は13時を過ぎる。高野山までは約50キロあり、しかも坂道である。坂道になると思いきりペースダウンする私にとって、本日のお参りは厳しいかもしれない。またフロントバックがだいぶ痛んでいるのも気になる。本日行くか、別日にするか悩ましい。

栃木からの年配の車遍路3人組が来たので話をした。これから高野山へ行くそうである。宿坊は高額なので泊まらないとのこと。私が何日くらいで周って、どういうところに泊まったかを聞かれた。「直前まで到達地点が不明だったため、ほとんど行き当たりばったりでした。」と答えた。3人組は、何箇所か宿坊にも泊まり、非常に良かったそうである。空調の中に1時間程度いたが、体が冷えてきたので外に出た。日陰は非常に涼しく快適である。やっぱり季節は確実に変わっている。


後半の振り返り

・親と過ごせることのありがたさを感じた。

・自分の力でどうしようもならないものは受け入れること。

・根性は重要。最後は精神力がものを言う。

・人のありがたみに助けられた。

・実践こそが人の心を動かす。

・前を向いていけば必ず到達する。

・全てを受け入れる姿勢ができれば、少々のことでは何とも思わなくなる。

・与えることの喜びを感じた。

・素朴なものが好き。特に自然と一体になっているもの。

73番札所奥の院は、お大師様の導きを感じた。

・本質を理解し、それを実践することが重要。体感して腑に落ちるようにする。

・人間の思考スピードには歩くスピードが最適

・今があることが嬉しい。旅ができること自体が幸せ。


11時 徳島港を出港

出港前にたくさんの荷物を乗せた自転車が来た。見たところ20代。これから約3か月かけて日本一周するとのこと。素晴らしい。「頑張ってください」と伝えて乗船した。


客室には行かず、またデッキで風に吹かれる方を選択。陸を離れるにつれて、「やり切ったんだなぁ」という気持ちが湧いてきた。そして、涙が出てきた。なんの涙なのかは、さっぱりわからない。旅が終わる寂しさでもない。不思議な感覚である。昨日は、達成感と安堵感だったが、今日はまた違う。穏やかな気持ちになっている。


海の上で今回の旅を振り返った。

お遍路を始めたのは、どんな世界が見えるのか見てみたいと思ったからだ。見えたのは自分の内面だったのではないかと思う。酷暑、雨、重い荷物に加えて、自力で進むしか手段がない状況に身を置いたことで、自分は一体どのように考え、どのように行動しようとしているのかがよく分かった。最初は、暑い、辛いなどの言葉とそれ相応の表情だったと思う。しかし、外国人サイクリストと出会ってからは、辛い顔をするのはやめて、言葉も変えた。「自分が望んだことをしているのに、この表情はないやろ」と思ったからだ。明らかに自分の内面を見て、自分で行動を変えた。そして、すべてを受け入れ、今を感謝することができれば幸せな人生を送れると分かった。そうすれば、見えない力が背中を押してくれている。お参りの際に納める納め札には「初志貫徹」と記載した。初志は、遍路旅を何がなんでもやり切ることであり、これを貫くことはできたと思う。しかし、これは自分一人の力で貫いたわけではない。いろいろな人に助けられ、見えない力に背中を押されてできたことである。まさに「お陰様」の力である。私は、段位を取得する時のレポートに、「日本人は「お陰様」の精神を持っている。」と書いた。遍路旅が、この思いと繋がった。日本人の原点を掘り起こすのが遍路旅なのである。そして、先ほどの涙は、すべてに感謝する気持ちからきた嬉し涙だったのだ。

これまで、嫌なこともあったし、辛いこともたくさんあった。しかし、今は「私はいい人生を送っている。」と言える。

心が少しスッキリした。今日は一旦家に帰ろう。時間的なこともあるが、高野山へのお礼参りは、もう少し心の中を整理してから行くことに決めた。早朝に出発すれば、日帰りも可能かもしれない。


135分 和歌山港到着

一回来た道のはずなのに、迷ってぐるぐる回ってしまった。コンビニによってドリンク補給と軽い食事をして再度出発。

今日は炎天下である。刺すような日差しである。しかし全く苦痛は感じない。こんな天気の下を走れること自体が嬉しい。明らかにお遍路効果だ。


1710分 大和川に到着

帰ってきたなぁと言う感じ。日が傾きかけているが、のんびり走ろう。


1745分 帰宅

家に着いてほっとした。


今日の走行距離は91キロ


今日の写真


今日はゆっくり休もうと思う。

明日ゆっくり振り返りをしたい。

2021年8月26日木曜日

21日目(8月26日) 結願!

5時起床 

まだ外は暗い。しかし天気は良さそうである。天気予報では熱中注意報が出ている。


6時半 宿を出発

天気は良いが湿度が高い。早朝なので道が空いている。


650分  八栗ケーブル駅到着

先日再度確認したがやはりここは歩くしか方法がなさそうである。20%を超える斜度の坂ではどうしようもない。歩いていると近所の婆さんに、交通手段を聞かれたので自転車と答えた。婆さんに「歩いて行き、絶対無理やで。」と言われ納得。歩き始めるとそれが現実になった。この坂は絶対無理、自転車選手ぐらいの強者なら行けるかもしれないが。


710分 85番札所八栗寺到着

うしろに岩がそびえ立っている。圧倒されてしまった。まさしく霊場である。まだケーブルカーも動いてないので参拝者は私だけ。ゆっくりと参拝した。ここは涼しい。極楽だ。

同じ道を降りていると、先程の婆さんに「しんどかったやろう」と声をかけられた。先日は東京から歩き遍路が来て野宿していたと言う。「私はそんな根性ありませんわ」と言うと「あんたも充分根性あるで」とお褒めの言葉をいただいた。


840分 86番札所志度寺到着

恒例の水浴びをしてからお参り開始。まだ9時前であるがこの暑さでは水浴びしないとどうしようもない。

住宅のど真ん中にあるお寺であるが境内に入ってびっくり、まるで山の中に来たような感じである。これはすごい。癒し系の寺だ。森の中に寺があるような感じのところである。おかげで蚊に噛まれまくった。木の間から五重塔がそびえている。街中のお寺なのでこじんまりしたお寺を想像していたが、良い意味で予想を裏切ってくれた。


105分 87番札所長尾寺到着

ここも住宅のど真ん中にある寺である。境内はゆったりしている。壁がないので特にそう思える。開放感抜群だ。年配の車遍路がお経を唱えている。流暢なお経に聞き入ってしまった。今日は想定した以上の速さでお参りが進んでいる。これまでは必ず想定した時間より遅くなってるのが常だった。結願に向けて導いてもらっているのかもしれない。これから結願に向けて坂道を移動する。昨日と今朝の歩き遍路で膝にだいぶガタが来ているが何とかなるやろ。


1110分 前山お遍路交流サロン到着

緩やかな上りを進んでいくと、すぐ到着した。ここではお遍路大使任命書をもらえる。対象は歩き遍路と自転車遍路だけである。しかし、武漢ウィルスの影響で閉館中だった。どこもかしこも閉館だらけである。結局必要事項を記入してポスト投函した。後日郵送してもらえるはずである。


ここから傾斜が急になってくる。道路の掲示板の気温を見ると30度あるが、それほど暑くは感じない。坂は確かにしんどいが、結願に向けたワクワク感に比べると微々たるもんである。


1230分 88番札所大窪寺到着

ついに到着した。大きなお寺である。結願所と言う石碑が立っている。ここは表門では無いらしいので再度表の山門から入り直した。ここも風が極楽だ。癒し系の寺である。ゆっくりとお参りをして納経所で記帳してもらった。


結願だ〜!!!

60のジジイがついにやり切った。


ついでに2000円払って結願の証明書まで発行してもらった。満足感でいっぱいである。

寺の横にある店に行き、結願を祝って天ざるうどんを注文し、少しだけ豪華な昼食をとった。

後は本日中に一番札所のお礼参りができれば完璧だ。やり切った感はあるが、いまひとつ安堵感がないのは、お礼参りが終わってないからだろう。約40キロほどあるが、下りなので頑張ればいけそうな気がする。

休憩もそこそこに移動を開始。ひたすら下っていくので非常に楽である。気がつけば徳島県に入っていた。後はひたすら東へ進むだけである。10番札所への表示が見えた。ここから先は1ヶ月前に走った経路である。1ヵ月しか経ってないが懐かしい気がしている。あの時は炎天下の真っ只中だった。今日も暑いのは確かであるが、1ヶ月前と決定的に違うのは風である。今は秋の風になっている。オートバイに乗っていた時も同じことを感じたが、また風に非常に敏感になってきた。季節の変わり目が非常によくわかるのである。長年車ばかり乗っていたのでこんな感覚を忘れていた。それにしても一番札所になかなかつかない。札所と札所の間が近かったので、それほどの距離があるとは感じてなかったが、一気に行くとなると結構な距離である。1ヵ月前のことを思い出しながら走っていると何とか到着した。


16時 1番札所霊山寺到着

本堂と大師堂をお参りして、納経所へ向かった。お礼参りできたことを告げると、最初の時とは別の朱印で記帳をしてくれてた。四国でやるべき事は全てやった。そう思うとやっと安堵感が出てきた。私はやり切ったのだ。

ゆっくりと余韻に浸りながら今夜の宿を探した。今から長距離走行したくないので、できるだけ近いところで選んだが、ツインルームのシングルユースの部屋が取れた。


1745分 宿に到着

ツインルームなので広々として非常にゆったり感がある。これはありがたい。横に豚太郎があったのでがっつり行こうと思ったが、今日は定休日だった。あまり選択肢もないので本日も夕食はカレーとなった。当然大盛り。


今日の走行距離は100キロ


今日の写真


本日、無事に結願することができた。こんな私を一番応援してくれたのは、道場の宗家と師範である。本当に感謝しかない。他の人も様々なメッセージを入れてくれた。そのメッセージに勇気づけられてここまで来ることができたと思っている。また、この旅は、いろんな人に助けられた。旅で得た一番の想いは「感謝」なのかなと思っている。途中からは、旅ができること自体に喜びを感じられたし、暑さや坂道などはどうでもよくなってきた。昨日も思ったが、やっぱり嬉しさ半分寂しさ半分である。以前食事をした店の女将さんに「結願したらまた行きたくなるみたいですよ」と言われたが、これは当たっている。今の率直な気持ちは「もう一回行ってみたい。」である。今回は日程的にゆとりがなく、天気の影響などもあり、八十八ケ所を回るだけで終わってしまった。もっとたくさんのところに行くことができなかったのが残念である。今度は時間を気にせず今回行けなかったところに行ってみたい。

明日は和歌山にわたり高野山へ行くことを考えている。しかし、武漢ウィルスの影響で泊まるところもだいぶ規制されているようであり、フェリー自体もかなり減便されている。高野山行きを明日にするか別日にするかは明日決めよう。