2021年7月31日土曜日

11日目(7月31日)

 5時起床 フロントバックの補修に手間取り650分出発


宇和島を出て緩やかな坂道が続く。田んぼの中を延々と走る。


750分 41番札所龍光寺到着

山に沿って建立されている寺。ここも寺の中にお稲荷さんがある。

先に参拝を済ませた歩き遍路がいた。遠目に見てもわかる位のマッチョマンだった。

お参りが終わり自転車に荷物をまとめていると近所の人が話しかけてくれた。その人は八日間で四国一周したとの事。全行程が1200キロとして1日平均150キロ走ることになる。強者だ。「四国一周するだけやったらこのぐらいで行きますよ。お遍路みたいに複雑な所はないしね。」と涼しい顔して言っていた。確かにゲキサカは無いかもしれないが凄すぎる。私より10歳位若い人だろうか。激励されて、挨拶をして出発。


845分 42番札所佛木寺到着

民家と田んぼの真ん中にある寺。観光地化はされていない。近くに高速が通っているがそれほどやかましくは無い。蝉の音だけが聞こえる。

風が気持ちよく天国だ。

休憩していたら雀が寄ってきた。こんな近くまで寄ってくれた。珍しい。


次の寺までみかん畑の間を縫うように走っていく。これこそ故郷の風景だ。懐かしい。私の実家もみかんを作っていたが、父が病気になった時に思い切ってやめてしまった。小さい頃はよく手伝いもしたが重労働だ。父は、年々収入が悪くなり、どこかで辞める機会をうかがっていたように思う。我々が働きだしてからそれほどガツガツとは仕事はしていなかった。趣味の釣りに金と時間を相当つぎ込んでいたように思う。帰省するたびに高額の竿やリールが増えていくのを見てびっくりし、4級船舶の免許を取り、釣り仲間と船まで購入したことを聞いて、またびっくりした。釣りの話をしているときはとても生き生きとしていた。今ならよくわかる。義務感から解放され、好きなことに時間を使える喜びを感じていたのだと思う。今となっては、父と一緒に釣りに行かなかったことが悔やまれる。

みかんの販売所を見つけて休憩。今はやってないので自販機だけが動いている。恒例の水浴びを行い久しぶりにポカリスエットを飲む。目の前には宇和海と段々畑が広がりとても綺麗である。


11時 道の駅どんぶり館到着

四国1周スタンプゲット

今度は100%グレープフルーツジュース。うまい。


11時半 43番札所明石寺に到着

山の中にある寺だ。風格がある感じがする。

風が心地よい。天国だ!

店の人が声をかけてくれたので、またまた飲んでしまった。今度は100%アップルジュース。

今日は五杯目だが、ポカリスエットを除きすべて100%ジュース。人工的な味が嫌になったのか?


1215分 八幡浜に向けて移動

道の駅に行って、その後親戚に顔を出すためだ。明日の行程を考えると30キロほど遠回りすることになるが、長年ご無沙汰しているので、この機会に会っておきたいと思ったからだ。それに、どうせ走るなら海の横を走りたいと言う気持ちがある。


1310分 道の駅 みなっと到着

恒例の水浴び後に四国一周スタンプゲット。

そしてもう一つの目的はここの魚だ。海鮮丼の上を迷わず注文。うまい。最高だ!

金額は高めだが、大満足だ。

来た甲斐が十分にあった。


実は八幡浜には1度も来たことがない。魚が有名なのだが、やっぱり漁師町だなぁと言う風景である。私が育った地区も漁師町の地区だったので、とても懐かしい風景である。


八幡浜を離れ、アップダウンを繰り返しながらやっと海に到達。道は海のすぐ横を通っており、潮の匂いを感じながらの走行である。


暑さを忘れ海を見ながら走っていくと親戚がいる肱川河口の街長浜に到着。

少し遅れて1540分に着いた。

久しぶりに来たのでとても喜んでくれた。長い時間お邪魔するつもりはなかったのだが、冷たい麦茶を浴びるように飲み、スイカを出されてガバガバ食べてしまった。叔母は「元気な間にやりたいことをやっときや!」と言って背中を押してくれた。ありがたい。

親戚の家を出て、長浜大橋を撮影。明日なら橋の開閉が見られたのに残念。肱川沿いを山に向かって進む。なだらかな流れは昔と変わっていない。


1740分本日の宿がある内子に到着

周りに食べるところがあまりないので宿の夕食を頼んだ。迷わずスタミナ焼きを注文。ニンニクが効いていてうまい。明日は前半最大の山場が待っている。スタミナ焼き効果を期待しよう。


今日は109キロ走った。もっと少ないと思っていたが意外に多かった。


今日の写真


故郷愛媛に入って自分の原点を思い返した。

なぜ今の私があるのか?

それは両親であり、親戚であり、周りの人たちによって今の私があると言う事を改めて思った。過去・現在・未来において全ては繋がっている。「過去を切り捨てることはできないし、変えることもできない。全てを受け入れて生きていきなさい。」と言うことがお大師様のメッセージなのかもしれない。

2021年7月30日金曜日

10日目(7月30日)

 5時に起床したが二度寝して5時半にもう一度きる。朝食を頼んでいるので、がっつり食べて720分出発。


山側に10キロほど戻るコースとなる。

早朝のお参りをすました歩き遍路が歩いてくる。お互いに頭を下げた。


750分 39番札所延光寺到着

車で来ていたお遍路さんが1人だけだった。

非常に静かで蝉の声だけが聞こえる。

私はこういうところが好きだ。

お参りを済ませると、お寺の人にこれを見てくれと言われて見に行った。なんと亀の石像の上に本物の亀が乗っている。「いつも朝これを確認するんです」と言っていた。

朝から面白いもの見せてもらった。

お礼を言って出発。


次への移動途中コンビニでろうそくを買い足し、インナーパンツ2枚重ねを実施。昨日からケツが痛くてたまらない。二枚重ねは最初は効果があったが、走るとまた痛みが出てきた。耐えるしかない。

9時を回っていたので道の駅宿毛によって四国一周スタンプゲット。高知県のスタンプはこれで終わりだ。半分ぐらいはゲットできた。

こちらに来て気に入ってしまったのがアロエ&白ぶどう。甘いものが欲しくて缶コーヒーかカルピスウォーターをよく飲んでいたが、アロエ&白ぶどうを見つけてはこればっかりだ。

出発しようと思ったらフロントバックのストラップがだいぶ緩んでいることに気がついた。結局20分ほどの休憩になってしまった。

56号線を北上し愛媛県に向かって移動。やはりこの辺はどこも川が綺麗だ。


1015分 ついに愛媛県に突入。

残り10キロ地点でコンビニを見つけて、また休憩。ドリンクは朝から5本目。今日も1500円コース間違いなし。


1110分  道の駅みしょうMIC到着

愛媛県で最初の四国1周スタンプゲット

畑田本舗、明屋書店などの看板を見ると愛媛に帰ってきた感がある。

近くに紫電改の記念館があった。小さい頃、海から引き上げられる映像を見たことがある。大人になってから知ったが、撃墜されて戦死したのは海軍の撃墜王・武藤金義だ。ラバウルの激戦を生き延びたのに、内地で戦死するとは、人間何があるかわからない。大東亜戦争を考えるとどうしても特攻隊に頭が行く。たしか特攻隊員として1番最初に攻撃をしたのは関行男だったことを思い出した。愛媛の西条出身だったはず。私は、特攻と言う作戦は決して認められるものではないと思っている。しかし、国や仲間のために我が身を犠牲にして突入していった特攻隊員には敬意を表する。特攻隊員は世界中の軍人から尊敬されている。これは、昔も今も変わらない事実だ。特攻隊を非難しているのは日本のメディアだけである。あの時代は、国や仲間のために命を投げ出す人間がいたのである。今はどうなのか?

自分だけが生き延びたり、得をしたりするよりも、社会のためにプラスになることをする人間でありたいと、つくづく思った。私は、目先の損得しか考えない人とは付き合いを切ってきた。今私とお付き合いをしていただいている人たちは、自分のためだけではなく、人のことを思いやる人たちばかりだと思っている。


1120分  40番札所観自在寺到着

とにかく風が涼しい。天国だ。

動きたくない衝動に駆られてしまう。

このお寺も観光地化されておらず、地元の人中心の寺みたいに見える。私は大好きだ。


お参りを終えて今日の宿を探していると知人のN氏から連絡が入った。N氏は、前職時代にお世話になった人で、今でも連絡を取らしてもらっている。宇和島の出身なのでオススメのお店を聞いていたのだが、忙しい合間を縫って連絡をくれたのだ。ありがたいことである。もう頭の中が鯛めしモードになってきた。これで今日も頑張れそうだ。

1240 宇和島に向けて移動開始


坂を超えたら海が見えた。養殖の筏がが見える。南予独特の風景だ。


途中で喫茶店を見つけて食事。ガッツリ食べたいのでカツ丼にした。1週間前には考えられない食欲だ。1週間前は暑さと旅が始まったばかりの疲労で食べられなかったんだと思う。昨晩もあれだけ食べたにもかかわらず、結局カップラーメンを買ってしまった。これだけ食べたら体重が戻ってくれるかもしれない。


アップダウンを繰り返しながら北上を続けていたが、コンビニを見つけて休憩。例によって頭から水をかぶったが、水ではなくぬるま湯になっていた。

15時時点で宇和島まであと17キロ。41番札所までは、さらにあと10キロある。今日のお参りは厳しい。あきらめるしかない。

しかし、今日の宿は18時以降しか入れない。宇和島に着くのが中途半端な時間となる。安いプランを選んだので仕方がないのだが。

せっかくなので18時までは宇和島観光をすることにしよう。宇和島に来るのは高校2年の新人大会の時以来である。その時は会場と宿の往復でどこにも行っていなかった。今日はお大師様が与えてくれたチャンスだと思う、と勝手に都合の良い解釈をして出発する。


1540分 道の駅津島やすらぎの里到着

四国1周のスタンプゲット。

こんなに近くにあるのならもう少し頑張ればよかったと思いながら、またドリンクを飲んでしまった。


1640分 宇和島城到着

城好きの人が言っていたが、この城はさすがだ。凄い立地である。目の前が海、後ろが山であり、高台にあるので防御には最適だ。昔の人は偉かったなぁとつくづく思ってしまう。

蝉の声が聞こえて、とても涼しい。極楽だ。


1725分 道の駅うわじま きさいや広場到着

四国1周スタンプゲット じゃこてん 

揚げたてがまた美味い!

夜の分も買っておいた。


1740分  龍光院到着

宇和島が一望できる高台。お稲荷さんが一緒に建立されている。夕景がとても綺麗である。来て正解だ。


1810分 宿に到着

いいホテルだがランドリーがないので外のコインランドリーへ。これは残念なポイントだ。

洗濯中にN氏おすすめの「ほずみ亭」へ。

予定通り鯛めしを頼んだ。最高だ! 店の人に言われるがまま、はらんびちぎり揚げも頼む。これもうまい。鯛めしはおかわり自由だった。女将さんが私の腹空かし具合を見抜いているかのように、おかわりを申し出てくれた。結局茶碗五杯分を食べたことになる。

今日はもう何も入らないが、じゃこてんが残っているので帰って食べよう。


今日の写真


今日の走行は93キロ。昨日に比べれば全然楽である。

昨日はがむしゃらに走るだけだったが、今日はいろんなことを考えながら走ることができた。

自分はどうあるべきかを改めて再認識し、良い人間関係に恵まれていることを感謝した。


2021年7月29日木曜日

9日目(7月29日)

 5時起床 

今日は朝食を頼んでいるため出発がいつもよりゆっくりだ。

昨晩師範から激励メッセージをもらったとき、外国人サイクリストとすれ違ったときのことを返信した。気になったまま寝てしまったが、荷物をまとめながら、何が気になっていたのかがわかった。

昨日炎天下の横浪三里で外国人サイクリストとすれ違った。彼は満面の笑みをしていた。誰も歩いてないような高い気温の中で、走りと景色をとことん楽しんでいるように見えた。こちらも挨拶を返したが、あのような笑顔だっただろうか? 暑さでバテバテの顔をしていたんじゃなかったか?

彼から「どんな環境であろうとも、自分がやっていることを楽しんでいる」ことが伝わってきた。そもそも、私が四国一周遍路旅をしているのは、やりたいからやっているだけなのだ。どれだけ暑くても、どれだけ坂が辛くても、彼のように笑顔で走ろうと決めた。しんどい顔をしていても、周りは楽しくないし、自分自身も楽しくないはず。


6時半に朝食。旅館の朝食といった感じ、とてもおいしい。おひつのご飯は全部平らげ、朝からがっつり食べた。決して豪華な宿ではなかったが、非常にのんびりできて心が落ち着いた。


宿の人にお礼を言って725分出発

がんばって39番札所まで行きたい。

外は霧が出ており少しジメジメしている。

30分ほど走ると霧が少し晴れてきた。道に大きなロープがあると思ったら蛇だった。道を横切り壁を登っていこうとしている。ひかなくてよかった。


830分  道の駅なぶら土佐佐賀に到着

1時間で20キロ、いい感じである。このペースでいければお昼には足摺岬に到着し、38番札所でお参りができるかも


930分  道の駅ビオスおおがた到着

恒例の水浴びとドリンク補給。

そろそろ暑さが厳しくなってきた頻繁な休憩が必要か。


道は小刻みなアップダウンがあり結構きつい。

12時半ぐらいにつければ良いのだがちょっと厳しいかもしれない。

日差しが強いが海の景色が癒しになっている。

とにかく海が綺麗だ。子供たちは海水浴、大人はサーフィン。うらやましい限りである。


1340分 38番札所金剛福寺到着

到着直前にチェーンが外れ転倒。痛めている方の膝を強打。ひねった感じはないので打撲だけ。よかった。やっと治ったばかりなのに、また痛めたら目も当てられない。

学生時代に来たときの記憶があまりないが、大きなお寺だったことだけは覚えている。ちょうど境内を改装している。池には鯉が泳いでいる。昨日のお寺とは感じが違う。


お参りを終えてお寺の前の店で食事。迷わずタタキ定食を注文。「足摺のタタキはちょっと違うんですよー」と説明してくれた。私が知っているタタキは、カツオの上にネギなどの薬味が載っている。足摺では、山のようなネギの中にカツオが埋もれている盛り付けである。それにしてもうまい! 生き返った。

店の女将さんによると、こんなにきれいに海が見える日はそうそうないと言う。黒く見えるところが黒潮で今日は潮が非常に安定しているそうだ。私はついているのかも。これもお大師様のおかげか。

店を出た後、灯台の周りを散策した。懐かしいなぁ。その後チェーンの整備を行い、出発は1515分になってしまった。

39番札所は時間的に難しいので宿への移動のみとなる。約70キロの道のり。頑張ろう!


小刻みなアップダウンがボディーブローのように効いてきている。思ったほど距離が進んでいない。海を見ながら走ることだけが癒しとなっている。


1815分 道の駅大月町に到着

宿に遅れることを連絡し休憩していると地元の婆さんが話しかけてきた。私の白衣を見て、「あなたは偉いねーと」何度も言う。ここに来る人を捕まえては、「信心深い事は良いことだ。お参りに行きなさい。」とあらゆる人に言っているようだ。出発するときに何回も「お気をつけて」と言って送り出してくれた。日没が迫ってきていたのでゆっくり話ができなかったことが悔やまれる。


通常はこの時間にはもう宿に到着していて走ってない。おかげできれいな夕日を見ることができた。


1710分 本日の宿に到着

今日は159キロも走った。これまでの最長記録だ。

本日の宿は素泊まりで安い。食事は併設しているレストランで食べた。刺身にひかれたものの、せっかくなのでタタキの食い比べをしようと思い、またまたタタキ定食を注文した。ボリュームがあってうまい。大満足だ。足摺のたたきとは甲乙つけがたい。



暑さに慣れてきたのか、ここ数日は腹が減って仕方がない。異様な食欲だ。今日もかなり食べたが少し足らないような気がしている。1階にカップヌードルの自動販売機を見つけたので買いに行くのもいいかもしれない。


またまた走行距離を書くのを忘れていた。

726:103キロ

727:86キロ

728:92キロ

729:159キロ


今日の写真



単調に走るだけの旅になるかなと思っていたが、いろいろ考えることがあり、非常に充実している。

明日はついに生まれ故郷愛媛県に突入予定。

2021年7月28日水曜日

8日目(7月28日)

 5時起床  いつも通りの荷造り

お寺が近いので少しゆっくり出発。

今日はどこまで行けるか予測ができず、まだ宿を決めていない。というか、いつも安直に楽天トラベルで見つけていたが見つからなかった。

昨晩師範から激励のメッセージをもらった。

がんばって四万十までいければと思っている。


655分出発

本来は7時会計だったが、630分過ぎの早めにしてもらった。ありがたい。


75分 34番札所種間寺到着

田んぼの中にあるこじんまりした寺。

私は個人的にはこういうところが好きだ。全く観光地化しておらず、地元の人に愛されている寺という感じ。まだ薄曇りで涼しく蝉の音だけが聞こえている。

早朝なので私だけかと思っていたら、年配の遍路に声をかけてもらった。自転車は大変ですねと言って感心していた。いっそう頑張ろうと思った。


清滝寺目指して移動。田んぼの中を走っている。千早とか奈良に行った時のような感じだ。今日午前はこのような風景のところを走ることになる。

到着まであと1.5キロのところで今日もゲキサカが待っていた。残り1キロで、またまた歩き遍路。途中すれ違う車の男性が私に向かって頭を下げてくれた。先程の寺で話をした人だ。私はそんな大した人間では無いのにこのように丁寧に挨拶されると恐縮しまった。


8時半  15番札所清滝寺到着

恒例の水浴びをしてお参りに入る。

山の中腹にあり景色は最高だ。

3名ほどお遍路さんがいるがみんな車だった。


休憩がてら先日アップできなかった写真をアップした。昨日の宿は一応高知市内だったのだが、こちらの方が電波状態が良いのだ。


きれいな海を見ながら移動。横浪三里の入り口近くで橋を渡り寺に向かう。


1015分  36番札所青龍寺到着。

恒例の水浴びを行いお参りへ。

120段の階段を上り本堂へ行く。山にへばりつくようにして建立されている寺である。親子のお遍路さんがいた。子供は白衣を着ているが親は普通の格好だった。みんなで着ているとかっこよかったのになぁ。

涼しい風、蝉の音だけが聞こえる。「岩にしみいる蝉の声」とはこのことだ。


出発したいが立ち上がる気が起こらないのと、

その前に今日の宿を決めないといけない。

37番札所から20kmあたりの宿に何件か電話するがことごとく断られた。というよりも、もう廃業してしまっているところが多い。電話に出てくれた人はかなり年配だったようだ。このご時世だから仕方ないのか?

四万十市までは35kmあり、これまでの状態から考えると苦しい。16時以降はかなり走行ペースが落ちるからだ。到着時に暗くなっていると危険なので、37番札所近くの旅館を確保。ほっとした。

宿探しに30分を費やし出発が11時半となった。


海を見ながら横浪三里をゆっくり抜けて須崎市へ。暑くて何回も休憩しドリンクを補充。腹がパンパンだ。

大阪を出てから体重が5キロ減った。一昨日測った時にその状態であって体重計が壊れてると思っていた。しかし昨日も同じだった。夜はがっつり食べているが、昼食が少ないのと運動量が原因か?

やせたい人には真夏の炎天下を自転車で走ることをお勧めしたい。


135分  道の駅カワウソの里すさきに到着

四国一周スタンプのゲット。

食事に行こうと思ったら目の前でカツオのたたきの実演をやっている。1人前500円で食べられるので即決。美味い! 最高だ!

これだけでもここに寄った甲斐があった。

しかし、これだけでは足らないので、食堂へ行って天ぷらうどんを食べた。軽くしたいのでうどんにしたのだが、予想以上に腹が膨れた。まず、うまい。天ぷらはでかく、エビ以外に野菜の天ぷらまで入っている。うどんの量は普通だが非常にコシがあり、ダシが絶品である。普段はうどんのダシまで全部食べたりしない私だが、全部たいらげた。ここの道の駅は大当たり。少し食べ過ぎてしまってしばらく動けない。これからゲキサカが待っているのでしばらく休憩し、結局1415分出発


カツオのたたきで昼の食欲が復活し、出発直前にもかかわらず、ゆずシャーベットまで食べてしまった。お口直しには最高だ。


四万十町目指して、ひたすら坂道を上る。緩やかだが10キロほど坂が続いている。ゲキサカではなかったものの、これも結構辛い。休憩していると地元のサイクリストが涼しい顔で「お疲れ様でーす」と言って追い抜いていった。

やっと七子峠を越えて、下りの一本道。道の駅のスタンプはあきらめ、37番札所へ突撃。


1425分 37番札所岩本寺に到着

ギリギリ納経は間に合った。

このお寺は地元のコミュニティーの中心になっているように見られる。本堂の中に子供たちの絵がたくさん飾ってある。境内にはカフェまである。そしてサイクリストのために、いたるところにサイクルスタンドが置いてある。お寺の存在としてこういうのはありかもしれない。というか、そもそもお寺とはこのようなところだったのではなかったのか。私が今住んでいるところは古い街で、神社や寺を中心に様々な行事を行っている。神社仏閣が地域のコミュニティーの中心として存在している。しかし新興住宅街に住んでいる者に聞くと、そういうものはないし、神社仏閣自体がない。新興住宅街は仕方ないのかも。しかし、まだまだ日本の良いところが残っている地域はたくさんあると思った。

寺で少しのんびりし、すぐ近くの宿に到着。

お遍路さんが泊まる宿である。4畳半の部屋で、風呂トイレ共同。2食付で7000円である。先日の部屋からするとグレードは落ちるが私としてはこれで充分である。

風呂に入って体重を測ったら昨日より1キロ戻っていた。やっぱり昼食もちゃんと食べないといけない。

宿の食事は豪華夕食ではないが、魚料理が2品あり、とてもおいしかった。特に魚の煮付けは最高だ。ここで正解だったかも。


今日の写真


今日は四万十市までは行けなかった。せめて黒潮町まで行って魚をたくさん食べようと思っていたが、これも無理だった。しかし、今日は昼も夜も非常においしいご飯が食べられた。人間にとって幸せな事は「おいしくご飯が食べられること」と改めて思ってしまった。私の父や妻の両親は、亡くなる直前はご飯がまともに食べられず、見ていて非常に辛かった思いがある。贅沢など求めず、毎日おいしくご飯が食べられることに感謝して生きていくことで充分なのではないかと感じた1日である。

黒潮町で宿が取れなかったのはお大師様の引き合わせだったのかもしれない。

2021年7月27日火曜日

7日目(7月27日)

 5時起床 いつも通り荷物をまとめる。

ニュースを見ると、今日の高知は35度、昨日いた室戸は29度、同じ高知県内でなんでこんなに違うのか?

今日は高知市を中心に回るため、この気温はきついかもしれない。


640分出発 自転車置き場が日向のため荷物を積むだけでも汗だくになった。


715分 28番札所大日寺到着

参拝者は私だけだったが、お遍路さんが2人現れた。若い人と年配の人。若い人は歩き遍路みたいだ。尊敬してしまう。

納経所で飲み物をいただく。いきなり3杯も飲んでしまった。


師範から、桂浜へ行ったかどうかの確認メッセージ。まだこれからなので「行きます」と返信。学生時代以来である。


840分 29番札所国分に到着。

先程の寺は木の中にあったが、この寺は住宅と田んぼの中にある。しかし境内の中は木が生い茂っており、森の中にいるような感じ。別世界の空気を感じた。風が涼しい。


10時 30番札所善楽寺到着。

例によって頭から水をかぶる。到着してから次の行動に移るまでの時間が長くなってきた。

このお寺は全部舗装されており土がない。暑いと思ったが、風鈴の音が涼しく感じられる。私は日本人なんだなぁと思った。

久しぶりにレモンスカッシュを飲んでスッキリ。


お寺のすぐ横に立派な神社がある。土佐神社。お遍路は神仏習合なのでお参りした。龍馬伝のロケにも使われたと記載されている。時代劇のロケに使うには充分すぎるほどの威厳がある神社だ。


1150分 五台山展望台到着

お寺まではもう少しだが、せっかくなので景色を見てみたいと思って立ち寄った。絶景だ。


125分 31番札所10時竹林寺到着

駐輪場に自転車を止め恒例の水浴び。

大きなお寺である。隣に牧野植物園があり駐車場も相当広い。境内の中は高級料亭の庭みたいな感じ。

お参りを済ませ近くのお店でざるうどん。やっぱりこの状態で昼食にがっつり系は辛い。


1350分 32番札所禅師峰寺到着

寺と寺の間の移動は短いが、いつも最後にゲキサカが待っている。今日は全てこのパターンかもしれない。

到着したら例によって恒例の水浴び。

自転車を置いて坂を上ると小さなお寺だった。しかし個人的にはすごく気に入った。涼しい風、蝉の鳴き声だけが聞こえる。そして景色が素晴らしく、太平洋が一望できる。見ているだけで癒される。


15時半  33番札所雪蹊寺に到着

街中にありこじんまりしているお寺。私は好きである。風が気持ち良い。境内で地元の特産物を売っているが、荷物が乗らないので買えない、残念。もうひとつお寺を回りたいが、本日はこれで終了して桂浜へ行くことにする。学生時代以来36年ぶりである。


16時半 桂浜に到着

竜王岬までゆっくり散策。やっぱり太平洋の波は違う。私が育った瀬戸内は、さざ波だ。

しかし、この爽快感は何なんだろう。来て良かった。


1710分宿に向かって移動開始し18時に到着。

今日は天然温泉付きで素泊まり5100円。安い、しかも、部屋は広くてきれい。強いて言えば食事の種類が少ないのが問題だが、温泉に入れて、こんなきれいなところで寝られるだけありがたい。贅沢を言っている場合じゃない。洗濯している間に温泉へ。

やっぱり温泉は極楽だ〜。寝る前にもう一回入ろう!


いつも走行距離を書くのを忘れる。

726:103キロ

727:86キロ


ネット環境が悪く写真がアップデートできない………

参った!



次の日にアップした写真


今日は近い距離でたくさんのお寺を回った。暑さはそれほど気にならなくなった。慣れてきたのか麻痺してきたのかよくわからない。

明日は長距離走行が待っている。

2021年7月26日月曜日

6日目(7月26日)

 5時起床  体が重いが、いつも通り荷造り。

部屋からご来光が見られた。

塩害がひどく窓が開けられないのが残念。


640分出発

ホテルの前が水で濡れていたので打ち水したのかと思ったら道路も全部濡れている。

夜中に雨が降ったらしい。

本当は朝食を食べて行きたかった。昨夜の夕食(特に鍋は絶品)が美味かっただけに残念である。しかし、この時期の早朝ランは捨てがたい。1時間遅れると涼しさが全然違ってくる。

いつもの朝より少し蒸し暑い感じがあるものの、風は涼しい。


710分 25番札所津照寺到着

誰も参拝客がいない。私だけ。

蝉の音と涼しい風に吹かれながらゆっくり参拝。

師範から、空海悟りの地について聞かれた。前でぼーっと海を見ていただけで今回は行っていない。今回行かなければ片手落ちのような気がしてきたので約6キロ引き返した。

御厨人窟に到着し洞窟に入ってお参り。以前来た時は夕方だったため洞窟から見た海はすごく荒々しかった。しかし今日は非常に穏やかな海である。お大師様は「もっと穏やかな心を持て」と言っているのかもしれない。師範からの連絡は

お大師様のメッセージだったのかも、と思った。お寺に行くことばかりを気にしていたが、お遍路はスタンプラリーになってはいけないのである。


思えば4月に定年退職してから家庭の中は非常にギクシャクしている。私は5年前に、就業していた仕事が生涯をかけてする仕事に思えず、仕事を変えることを言い出したのだが、家族の了承が得られず定年まで働いた。そして定年を迎えた後はしばらくは好きなことをしたいと申し出ていた。しかしいざ定年を迎えると家族はそれを受け入れず毎日が喧嘩の連続。私からすると「約束違反」との思いが強く、今回の四国一周遍路旅もムリムリ出てきたような感じであった。以前から他人が作ったルールやペースで生活していくことが嫌で、雇用延長を断り定年を機会に仕事を辞めた。少し意地になっていたのかもしれない。良いか悪いかは別にして、もう少し穏やかな気持ちで人の言うことを聞いても良いのではないかと思ってしまった。


930分 26番札所金剛頂寺到着

看板通りきたら途中から獣道になってしまった。ポンプ小屋の前に自転車を置いてけもの道を歩いて登ってきた。着いたら大きな駐車場がある。車の道は別だった。

例によってここも日差しが強いが非常に風が涼しい。極楽だ!

お参りをすましてまた獣道を戻る。


1040分 キラメッセ室戸に到着

四国一周のスタンプをゲットしようと思っていたが、なんと今日は定休日だった。

友人のT氏から、動画も残しておいた方が良いとのアドバイスをもらって動画も撮り始めた。

そのまま国道沿いを西へ向かって移動。

日陰を見つけてたまらず休憩。目の前は海、極楽だ〜。


1210分 道の駅 田野駅屋到着

四国1周スタンプゲット

ついでに昼食、ざるそばがあった。ラッキー。

これなら全然食べられる。調子に乗ってアイスクリームまで食べてしまった。


午前中の件があるので道を確認し車道を行こうとしたが、地元のおじさんにそこはダメと言われた。通行止めなっているらしいいるらしい。声をかけてもらってよかった。行ってみて通行止めが分かったら最悪。おじさんに礼を言ってコースを変更する。

予想通りゲキサカが待っていた。またまた歩き遍路の復活。見渡すとマムシ注意の看板だらけである。木陰を見つけて2度ほど休憩。


1420分 27番札所神峯寺の駐車場に到着。

まだあと500メートルほどあるが、ここから徒歩になる。

15時着を想定していたので、少し早めに着けそうである。その分休憩に当てよ。


1440分 27番札所神峯寺到着

湧水がある。うまい。そして、この涼しさは天国だ。

ゆっくりと参拝し、納経所で交通手段を聞かれたので自転車と答えると、「大変やったねぇ」と言って塩レモンの飴をくれた。これはありがたい。

1530分出発

今日は時間的に次に行くのは無理なので宿を目指して走る。


16時 道の駅大山へ到着

四国1周スタンプをゲット

そして本日2個目のソフトクリーム。うまい。

今回はやたら甘いものばかり食べている。


安芸のタイガース球場を過ぎたあたりから自転車道を発見してそちらに移動して走る。海沿いの景色は最高。車を気にしなくて良いので非常に気持ちよく走れる。


17時半 道の駅やす到着

四国一周スタンプゲット


18時半 本日の宿に到着

値段は昨日の約2分の1以下だ。しかし食事はない。宿に着く直前に目の前の焼き肉屋からの臭いに釣られて、夕食はここに決めていた。とにかく腹が減ってたまらない。宿代が安いこともあり思いっきり食ってしまった。でも、昨日より安くついた。


今日の写真


本日はたくさんの気づきがあった。納経帳を埋めることが目的ではなく、このような気づきがあることこそがはお遍路なんだろう。来て良かったと思った。

2021年7月25日日曜日

5日目(7月25日)

 5時起床

軽量化のためここまで使ってない荷物を家に送り返すことにした。昨日食べられなかったカロリーメイトを食べながら荷造り。師範から山岳コースは「食べながら登ると楽ですよ」と言われていたのだが、全く喉を通らなかったので余っていたものだ。

650分出発


室戸まで100キロの標識を見つけ気を入れる。

運良くコンビニが見つかり荷物の発送完了。

ついでにここで朝飯を食べる。

朝からチキンの揚げ物まで食べてしまった。昨日久しぶりに体重を計ると2.5キロ減っていた。

昨晩は地元の中華チェーン店豚太郎で、レバニラ炒めとチャーハン、生ビール2杯とガッツリ食べたのだが、この減り方にはびっくり。豚太郎には高校時代よくお世話になった。昔からボリュームがありこの伝統は今も健在だった。今の私には少し多い位の量だったのだが。


日和佐までは山道の走行。緩やかなアップダウンが続き結構これがきつい。ほとんどが日陰なのが救いだ。


830分 23番札所薬王寺到着

国道脇を少し上ったところにある。

ここも爽快な風だ。気持ちが良い。

95分参拝を終え、そのまま道の駅日和佐に移動し四国一周のスタンプゲット。

休憩がてらまたまた1本空けてしまった。今回は毎日飲料代が半端ではない。確実に毎日1500円は超えている。


945分 道の駅日和佐出発

国道55号を南下するつもりだったが、四国サイクリングのブルーラインに誘われてそのままオーシャンビューの南阿波サンラインへ。アップダウンが続くのがきついが展望台から見た景色は最高だ。国道を行く方が早いことはわかっているがせっかく来たのでこっちを通っていきたい。

師範からメッセージをもらい、徳島県のお寺はすべてお参りが完了したことを報告した。いつもメッセージを送ってくれる。大変ありがたい。

無風状態で暑いはずだが海の景色に癒されている。私は海の近くで育ったのでやっぱりこの景色が一番の癒しなのかと思う。特に小学校は少し高台にあり、教室からは海が見えた。他の学校から異動してきた先生が「お前ら羨ましいなぁ。当分異動したくないなぁ。」と言っていたことを思い出す。当時は海があることが当たり前だったので何も感じなかったが、今になって思うと大変ありがたい環境にいたのだ。

道には5キロごとにサイクリスト用のブルーラインに距離が記載してある。まだ10キロしか進めてないことに気がついた。写真と休憩ばかりでほとんど進んでない。しかしやっぱり良い景色があると写真を撮るために停止。

1時間半オーシャンビューを楽しんで国道55号に合流し海沿いを走る。サーファーがたくさんいる。海に入りたい!

今回やたらと飲んでいるのは砂糖入りの缶コーヒー。普段砂糖入りなど絶対飲まないのだが、これがうまい。


12時半 宍喰温泉道の駅に到着

例によって頭から水をかぶる。恒例行事になってきた。

ここでも四国1周のスタンプをゲット。徳島県のスタンプはこれで完了。食事したいが食べる気がしないのでソフトクリームを食べる。残念ながら、がっつり系のメニューしかないので食事は諦め1320分出発


1330分高知県突入

高知県に突入してからほとんど日陰がない。

聞こえるのは波の音だけだ。海岸は瀬戸内と違って岩場が多い。やっぱり太平洋は違う

やっと日陰を見つけて休憩。また水を頭からかぶり少しだけ喉を潤す。あまり飲めない。うがいする位の方が気持ちが良い。


1515分 室戸ジオパークセンターに到着

日陰で休憩。 恒例の頭から水をかぶってすっきり。

しかし最後にはたまたま試練が待っていた。斜度10度の坂道がある。昔来たときのことを思い出した。早々に諦めますまたまた歩き遍路。


1610分 24番札所最御崎寺到着

ここは学生時代にオートバイで来たときに宿坊に泊まったところである。細々したところはよく覚えてないが雰囲気は覚えている。懐かしい。

夕方になったので涼しい。心が癒される。


1720分宿に到着

今日は選択肢がなくこの宿に決定したが食事付きで高い。昨日の倍以上する。しかし、大浴場があり食事は絶品だった。 「まだ出るんかい」って言う位出てくる。昨日もがっつり食べたが今日もがっつり食べた。


走行距離を書くのを忘れていた。

723:69キロ

724: 81キロ

725:115キロ


今日の写真



今日は海岸走行を堪能した。お遍路さんとは誰とも会わなかった。懐かしい思い出などいろいろ思い出しながら走っていた。

美味い料理を食べたので明日も頑張ろう!