2021年8月1日日曜日

12日目(8月1日)

5時起床 宿の朝食を食べ出発

タイヤの空気補充に時間がかかり出発は655分となってしまった。


出発してからしばらくして師範からメッセージ。空海が夜を明かした橋の下に行ったかどうかの確認だった。私はこれついては全く認識がなく、昨日すぐ近くを通りながら素通りしていた。一生の不覚だ。なぜ事前にもっと調べてこなかったのか後悔した。引き返すには一山越えて10キロ戻らないといけない。後ろ髪を引かれながら44番札所を目指して走っていく。もしかして、これはもう一度やれと言うお大師様のメッセージなのか?

先日お寺の前の店で食事をしたときに、店の女将さんが、「いちど結願すると、またやりたくなりそうですよ。」と言っていた。もしかするとその予兆なのか。まだ結願してない人間が、こんなことを思うこと自体がおこがましいような気がするが………


昔「地獄の黙示録」と言う映画があった。当時学生だった私は、見てもさっぱり訳がわからなかった。友人も同じことを言っており、「映画評論家の言う事はあてにならんなぁ」と言っていたことを覚えている。しかし、20年後に同じ映画を見たときに全く感じ方が変わった。監督のフランシス・コッポラは天才だと思った。そして数年前に見たときは、また印象が変わった。それまで理解ができなかった、主人公がとった行動について理解できた。

20年後となると生きているかどうかが疑わしいが、数年後であれば、まだ頑張れるだろう。時期や立場が変わると感じ方や考え方も変わるので、同じことをしても違う世界が見えてくるかもしれない。それはそれで、やる価値があり楽しみだ。


道がだんだん山深くなっていくが、しっかりブルーラインが引かれている。ここもサイクリングコースなのか。海側の平坦な地形とは違いアップダウンが多いはずである。上級者コースの気がする。


今日はきつい行程を予想しているので、早め早めに休憩を取ることにした。野菜の無人販売所に自販機があり早速休憩。このあたりの地名は大瀬となっている。たしか大江健三郎の出身地のはずだ。

標高が高いところにいるのでかなり涼しい。気温は23度である。


820分 道の駅小田の郷せせらぎに到着

トイレ休憩だけのつもりだったが、また飲んでしまった。今日もハイペースでドリンク消費が進んでいく。


道の駅を過ぎてから道が狭くなってきた。そしてこれまで緩やかだった坂道が少しずつ傾斜がきつくなってきた。ついにきたか。地道に上っていくしかない。しかし地元の車は容赦なくぶんぶん飛ばしてくる。毎回脇によけて避難する。昔から運転マナーが良くない土地柄なのだが今も変わらない。

真弓峠を越えてやっと下り道。久万高原町に入った。


955分  自販機を見つけて休憩。アロエ&白ぶどうがある。天の助けだ。たまらず2本も飲んでしまった。

道を間違えながら何とか進む。


1050分 44番札所大宝寺到着

参道を歩きたかったので参道前の大きな杉の下に自転車をとめてそこから歩いた。参道に入った時点で空気が違う。

噂通りだ。心が落ち着くところ、と言う感じである。日曜と言うこともあり参拝者がそれなりに多い。人が少なければもっとゆっくりしたのに残念。


1240分 45番札所岩屋寺到着、と思ったら駐車場だった。徒歩20分かけて登る必要がある。

13時にほんとに到着。


噂には聞いていたが、雰囲気が全然違う。まさしく霊場である。そびえ立つ岩のそばに建立している本堂は威厳がある。

時間が許せば何時間でもいられるところだ。自撮り棒を使って写真を撮りまくっている目障りな観光客が去るのを待って、ゆっくりと散策。


松山に向けて来た道を引き返す。アップダウンが辛い。食べるところが全くなく、結局久万高原町の中心部まで戻り、道の駅天空の里さんさんでやっと食べる。

冷やしよもぎうどんを頼んだら、これが結構うまい。量が少ないので、もう一杯食べようと思ったら、ソフトクリームが目に入って、そっちを食べてしまった。

地元松山までもう少しの距離である。しかし、実家は松山市の北部にあり、ここから約45キロある。行けない距離ではないが、多分夜間走行になってしまう。危険な事をするのはやめて、今日は宿を取ることにした。かろうじて今夜の宿は確保できた。松山市内であるが南の端である。ここなら明るいうちに到着できそうである。


16時半  ついに地元松山に突入。

標高720メートルの三坂峠から一気に降りるのは非常に爽快だ。

17時半 道を間違えながらも宿に到着。

宿は子供たちの野球チームが合宿しており非常に賑やかだ。私は端の方で、おとなしく、がっつり食べた。


今日の走行距離は97キロだった。もっと短いと思っていたのに意外と走った。


今日の写真



今日は前半最大の山場を乗り越えることができた。とりとめのないことを考えていたら着いていた。思ったより斜度がきつくはなく、想定した時間よりも早く到着できた。また久万高原が中心の行程だったので、これまでに比べると非常に涼しく快適に走ることができたことも良かったのかもしれない。自転車遍路をすることが生活の一部になってきた。今思えば12番札所が、1番きつかったと思う。

お遍路を何度も繰り返している人は、その都度新しい発見をしているのかもしれないと思った。そして、そのことに充実感や楽しみを感じているんだろう。

明日は松山市内の札所のお参りをして実家に行く予定である。武漢ウィルスのおかげで1年半以上帰省してないので久しぶりである。少しだけのんびりしたい。

4 件のコメント:

  1. 同じ映画であっても 年齢が違えば 感じることも違う。
    全くそうですね。

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  2. 成長(?)している証拠かなぁと

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  3. 標高の高い山間部は早い時間もあって涼しのですね
    本日もかなり暑いので平野部は気温高く自転車での
    走行汗が出まくりでしょうね(^_^;)
    遂に松山突入お疲れ様です。ご実家までもう少し
    1年半振り!楽しみですね(^^)v

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  4. ありがとうございます。
    昨日と違って平野部は暑いです。
    今日はあまり距離がないのでゆっくりと走ります。

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